取り返しがつかない

漫画原作者で作家の矢樹純のブログ

渋谷で打ち合わせ(その2)

今日は小説の担当さんと打ち合わせをすることになっていた。渋谷の喫茶店で待ち合わせ、これまでに送った新作の短編と、以前出した短編の修正原稿について意見をもらう。
担当さんに言われたのだが、自分のミステリー作品の一番の問題点は、「トリックのためのドラマ」になってしまっているところなのだそうだ。
自分は最初にトリックを考えついて、それに合わせて登場人物とドラマを作るのだが、それが《取ってつけたような》ドラマになってしまい、トリック自体と合っていなくて浮いてしまったりするらしい。たまに運よくトリックとドラマが合っている作品もあるが、そうでない作品が多いので、短編集を出すには修正と、さらに新作を書く必要があるという。
トリックとドラマを《合わせる》ためには、何度も立ち止まって本当に《合っているか》、確かめながら書いていくしかない、とのこと。自分はそこを完全にサボっていて、多少違和感があっても無理矢理書き上げてしまっていた。
他にも情景が目に浮かぶような描写が少ないなど、色々な弱点を指摘され、それに対して技術を磨くためのトレーニング法を教わる。早く単行本を出したいと焦っていたが、今日の打ち合わせで自分の力がいかに足りていないかが分かり、じっくり力をつけて、本当に良い作品を出そう、と少し余裕を持って考えられるようになった。
そう考えられるようになったのは、世に出したいと思った作品を電子書籍で出せているからだろうと思う。力をつけるのとは別に、「これはどうしても誰かに読んでほしい」というものがまとまったら、今後も個人で出版していきたいと考えている。