取り返しがつかない

漫画原作者で作家の矢樹純のブログ

『がらくた少女と人喰い煙突』について色々と

まずはお礼から。

2/1〜2/29まで開催された『がらくた少女と人喰い煙突』Amazon月替わりセールですが、期間中のダウンロード数が830を超えるという、大変喜ばしい結果となりました。
それだけの数の方に作品が届けられたのは、セールの宣伝をしてくださったサイトの管理人さんや、告知のリツイートをしてくださった方々のおかげです。
本当にありがとうございました。心から感謝いたします。
そしてダウンロードしてくださった皆様、どうか《がらくた少女》と風変わりな探偵の活躍を楽しんでいただけますように。
ところで、『がらくた少女と人喰い煙突』を出版社から出せなかった理由について、以前、このブログで書きました。
http://d.hatena.ne.jp/ieyagi/20151003
出版社から出せないと思ったからこそ電子書籍として個人出版する道を選んだのですが、『がらくた少女と人喰い煙突』が思いのほか順調に売れ、さらに好意的なレビューをいくつかいただいたことで、昨年末頃から自分の中に欲が出てきました。
「どうにかして『がらくた少女と人喰い煙突』を商業出版できないか」と思ってしまったのです。
カクヨム』のコンテストに応募しようとしたのもその目論見があってのことで、《大賞を獲って書籍化》を目指して、かなりの手間をかけて修正と推敲をして、コンテストが始まるのを待っていました。そしてこの作品が応募の規定から外れているということを、コンテストが始まる4日前に知ったわけです。これには割と落ち込みました。
落ち込むようなことが起きた時、自分は前向きな行動がこそが助けになると考えていて、「コンテストが駄目なら別の方法を探そう」と思いました。それで色々と商業出版の道を考えていて、出版エージェントというものに目をつけました。ある程度の費用は掛かりますが、作家が持ち込んだ作品について、商業出版の手助けをしてくれる会社があるのです。
いくつか見つけた出版エージェントを引き受けている会社の中で、ビジネス書メインではなくて自分の好きな作家さんも所属している会社を選び、メールを送ることにしました。いきなり契約を結ぶのではなく、まずはプロフィールや出版したい作品の概要を送って、引き受けてもらえるかお伺いを立てるのが一般的なやり方のようです。
結果、『がらくた少女と人喰い煙突』は門前払いでした。返信のメールには「作品の内容に特段の興味は惹かれませんでしたのでお断りさせていただきます」と書かれていました。
これまで、世に出した作品について酷評と言ってもいいレベルのレビューをいただいたことも何度かありましたが、このお断りのメールほどは落ち込みませんでした。「読まないうちから否定される」というのは思いのほかダメージが大きかったです。
現在は、とにかく月替わりセールの結果が嬉しかったので、それほど落ち込んではいません。しかし、何度かこのブログでも書いていますが、自分は昨年の春からうつ病を再発しており、症状と付き合いながら働いている身分です。治療のおかげで最初の頃より薬の量も減り、状態は良くなっているのですが、年明けにいきなり《「ほぼ決定」と聞かされていた映像化の話が白紙になる》という、うつ病的には重い一撃を食らい、それ以来、少々調子を崩し気味です。
落ち込んだ時には前向きな行動をした方がいい、という考えを変えたわけではないですが、これ以上『がらくた少女…』の商業出版について前向きな行動を重ねることは、うつ病の人として致命傷を受けるかもしれないと感じました。そしてエージェントの方の言葉で、世の中に『がらくた少女…』を魅力的な作品だと感じてくれる人は、自分が思っているほど多くないようだ、ということも受け止めました。
そのような理由から、自分は『がらくた少女…』の商業出版に執着することをやめようと思います。電子書籍という形であっても、多くの方に読んでいただけたというだけで、その内の幾人かの方に「面白かった」と言っていただけただけで、充分に幸せです。
作者の公式ブログでこんな愚痴っぽいことを書くべきではないとは思うのですが、気持ちの整理をつけるために書きました。
『がらくた少女…』とは違う雰囲気の作品になると思いますが、いずれ紙の書籍としてミステリーの単行本を出せるよう、これからも頑張ってまいります。
漫画作品の方も、現在進行中のホラーな企画を早く通して読者の方に届けられるよう、いっそう努力していきますので、どうか楽しみに待っていていただければと思います。