やぎのくらし

小説家で漫画原作者の矢樹純のブログ

『リモート・パラサイト』上下巻同時発売

昨年、秋田書店の『ミステリーボニータ』で連載していたサスペンスホラー漫画が、電子版の単行本として本日発売されます。

上下巻同時発売で、タイトルは『リモート・パラサイト 顔のない鬼が僕を喰らう』です。

この作品、他の加藤山羊×矢樹純を読んでおられた読者の方にも、あまり認知されていないのではないかと思います。
これまで自分達は主に青年誌で活動してきたのですが、こちらは初めての少女誌での連載だったのです。

連載時は『傀儡の檻』というタイトルでしたが、作品名で検索しても感想はほとんど見当たらず、本当にこの作品は読んでもらえているのかと不安の中で書いていました。
それでも単行本になれば多くの人の目に触れるはず…と思っていたのですが、秋田書店での前作が売れなかったという過去の負の実績のために、なかなか単行本にまとめるという話が進みませんでした。そして連載終了から一年近く経ってやっと、紙は無理でしたが電子書籍で出してもらえることになったのです。

紙の単行本が出ないのは残念ですが、多くの人の目に触れるという意味では、電子版はむしろ有利なのかもしれません。スマホやパソコンから買ってすぐダウンロードできますので、ぜひたくさんの方に読んでいただきたいです。

『リモート・パラサイト 顔のない鬼が僕を喰らう』は、ある新人漫画家が覆面作家である謎の原作者の作画を引き受けてから、身の回りに不審なことが起き始め、正体不明の女に付きまとわれる――という内容のサスペンスホラーです。

主人公の前に現れる《レインコートをまとった女》はいったい何者なのか。彼女の目的は何なのか、というミステリー的な要素もあります。

ホラーシーンについては加藤山羊がよく少女誌に載ったなと感心するような精神的ダメージを受ける描写をたっぷり盛り込んでくれましたが、怖いものが苦手な方でも、ミステリーサスペンスとして充分楽しんでいただけます。
そしてホラー好きな方、特に昔ホラーM『ハロウィン』を読んでおられた方には、絶対に満足いただける作品だと思います。

また業界関係者の方、こちらはCGなどを使わずに低予算で映像化できるホラー映画のシナリオとしてもぴったりのストーリーですので、ぜひともご検討ください。

どうか皆さま、秋の夜長に1時間ほどで一気読みできる戦慄のホラーを(体を温かくして)お楽しみください。

よろしくお願いいたします。