やぎのくらし

小説家で漫画原作者の矢樹純のブログ

『●●にいたる病』発売

本日発売の我孫子武丸先生デビュー35周年記念アンソロジー『●●にいたる病』(講談社)に矢樹の「拡散にいたる病」を収録いただいております。

www.kodansha.co.jp

このようにめちゃくちゃカッコいい装丁となっております。

かまいたちの夜』シリーズ全部、しおりを全色ゲットして全てのルートを潰すほどのめり込んでプレイしていた過去の自分に、30年後に我孫子先生と同じ本にあんたの小説が載るよと教えてあげたいです。

www.spike-chunsoft.co.jp

「拡散にいたる病」は『或る集落の●』の最終話でもあるのですが、そもそもがこちらの我孫子先生のトリビュート企画に参加させていただいた作品でした。

www.kodansha.co.jp

ミステリーの金字塔である『殺戮にいたる病』へのオマージュでありながら、自身の単行本の要となる短編を書くという難易度の高いミッションで、ご依頼いただいた時はそんなことが可能なのかと自分で自分に半信半疑でしたが、想像以上に楽しく書かせていただきました。

「拡散にいたる病」は深夜ラジオの制作現場が舞台となっており、執筆にあたっては長年様々なラジオ番組の構成を担当してこられた構成作家の田原弘毅さんに取材させていただきました(ちなみに田原さんは自分の二十年来の親友の旦那さんです)。

note.com

執筆陣は我孫子武丸先生、神永学先生、背筋先生、真梨幸子先生、歌野晶午先生と、とんでもなく豪華なラインナップで、参加させていただき本当に光栄でした。
絶対にご満足いただける一冊ですので、ぜひお手に取っていただければと思います。

9/21合同トーク&サイン会のお知らせ

9/21(日)14時より芳林堂書店高田馬場店様で開催の合同トーク・サイン会に参加させていただきます。

梶永正史先生・柊サナカ先生、越尾圭先生・奥野じゅん先生・鈴木智先生、矢樹純の6名で、デビューの経緯やデビュー後に困ったこと、さまざまなジャンルのミステリーの書き方についてなどお話しさせていただく予定です。

今週日曜の午後、お時間がありましたら以下のリンクから無料チケットをお申し込みの上、ぜひ遊びにいらしてください

t.livepocket.j

サイン本の対象書籍はそれぞれ最新刊と近著が中心ですが、当日どの作家さんの作品でも【対象書籍を1冊】お買い上げいただければ、ご持参いただいた書籍にも1冊までサインさせていただきます。
今月発売の『罪の棲家』(朝日文庫)も対象です。

publications.asahi.com

矢樹にとっては初の対面でのサイン会となります。読者の皆さまに直接お会いできるのを楽しみにしております。
多くの方にご参加いただければと思いますので、どうぞ週末、高田馬場へ足をお運びください。

『罪の棲家』発売

矢樹純の最新刊ミステリー短編集『罪の棲家』が本日、朝日文庫にて発売となりました。

publications.asahi.com

今作は2016年にKindle個人出版した短編集『かけがえのないあなた』に収録された「裏山」「嘘つきと犬」「三年目の帰還」の3編と2013年刊行の『もっとすごい! 10分間ミステリー』(宝島社文庫)に収録された掌編「ずっと、欲しかった女の子」、今年7月から『web TRIPPER』で短期連載した「吸血鬼の■(ころ)し方」「運命の天使たち」、そして書き下ろしの表題作「罪の棲家」の7編からなる短編集です。

  • 行方不明になった小4の娘。交友関係を調べようと娘の部屋を探して見つけたものは……(「裏山」)
  • 学校に行けなくなった娘に暴力を振るわれ、思い悩む母親は過去と向き合い始める(「ずっと、欲しかった女の子」)
  • 学区の違う中学に通うことになった少女。やっとできた友達には、ちょっと変わった癖があった(「嘘つきと犬」)
  • スマホアプリのゲームにハマった女子大生は、ゲーム仲間の行動に追い詰められた末に“死”を決意する(「吸血鬼の■し方」)
  • 農家に嫁いだ私。姑にも夫にも不満はないが、未亡人の兄嫁の存在が言い知れぬ不安を掻き立てる(「三年目の帰還」)
  • 写真サークルの展示会で出会った夕日の写真。それは私にとって運命に導かれたとしか思えない一枚だった(「運命の天使たち」)
  • 父の四十九日を終え、実家に集う三姉妹。三女が突然実家の売却を提案するが、長女は絶対に売らないと激昂し……(「罪の棲家」)

これらの短編は、執筆した時期も違いますが、このように主人公となる女性の年代も題材も様々で、それぞれ読後感も異なります。一つの作品集の中で多彩な読み味の物語が楽しめる、お得な一冊となっております。

見ると落ち着かない気持ちになる大変不穏で素敵な装画は、太田侑子さんが描いてくださいました。

以前から太田さんの描かれる印象的な装画が大好きでしたので、引き受けていただけて本当に嬉しかったです。

過去に個人出版した3編とアンソロジーに寄稿した掌編については、今回の出版にあたって改稿し、より完成度の高い作品に仕上げました。
またこちらの掌編「ずっと、欲しかった女の子」はミステリーのアンソロジー用に書いたものですが、のちにホラーのアンソロジーに再録されており、ホラーで矢樹純を知った読者の方にもおすすめです。

立場も年齢も異なる女性たちを主人公に据えた7つのミステリー。さらに文庫版ということで、身近に読んでいただけるのではと思います。ぜひ広く届いてほしい一冊ですので、どうぞ皆さま、よろしくお願いいたします。

『或る集落の●』発売

矢樹純の最新刊となる【因習ホラー短編集】『或る集落の●』(あるしゅうらくのまる)が本日、講談社より発売されました。

www.kodansha.co.jp

こちらの作品は、2015年に自分がKindle個人出版した同タイトルの『或る集落の●』を改稿し新エピソードを加えたものです。

(↑Kindle版はこんな感じでした)

魅力と怖さはそのままに(むしろ増量し)、全体としてかなり違った読み味になっているかと思います。ですのでKindle版を既読の方も、きっと楽しんでいただける内容となっております

  • 田舎の集落に暮らす姉を訪ねた「私」――しかし姉は、姉ではないものに変貌していた(「べらの社」)
  • 病気の治療のために、どんな病も治す猿がいるという集落に閉じ込められた「私」を悪夢が襲う(「うず山の猿」)
  • やくざの下っ端の「俺」と、ある集落の生まれで自身を人間じゃないと言い張る不思議な「兄弟」の物語(「がんべの兄弟」)
  • 奇妙な因習の残る集落に嫁いだ「私」は大切な一人息子と引き離される。三年後、帰ってきた息子は《何か》が違っていた(「まるの童子」)

Kindle版に収録のこちらの4編に「密室の獣」「天神がえり」「拡散にいたる病」を加えた、7編の【或る集落】にまつわる悍ましく不思議なお話が収録されています。

一話目の「べらの社」はデビュー作が売れず、次の本を出せずにいた時期に第8回『幽』怪談文学賞短編部門に応募し、最終選考に残った作品でした。京極夏彦先生や岩井志麻子先生に講評をいただいた思い入れのある短編ですが、4年前にこの作品を巡るあるトラブルに見舞われ、作家として非常に苦しい思いをしました。

(※矢樹の公式noteのトラブルについて記した記事に、紙書籍版の刊行にあたり追記をしております。出版関係者の方、また創作をされている方に届いてほしい内容ですので、よろしければご一読ください)

その件もあり、商業出版することは難しいのではと半分諦めていたのですが、昨年秋に出版社にお勤めのれなさんにXでご紹介いただいたのをきっかけにオファーをいただき、講談社の編集さんたち、デザイナーさん、エージェントさんをはじめとする様々な方にご尽力いただいて、このように素晴らしい一冊に仕上げることができました。
発売まで支えていただき、本当にありがとうございました。

こちらのとんでもなく恐ろしい装幀は『撮ってはいけない家』と同じくブックデザイナーの鈴木久美さんが手がけてくださいました。


ちなみにこのお人形、なんだか子供の頃の自分に面影が似ているような気がして余計怖いのですが、そう感じるのは自分だけでしょうか。

多くの方にご意見をいただきたく、ぜひこちらから「似ている」「似ていない」の投票をお願いします↓

昨年11月に同じく講談社から発売された【伏線回収ホラー】『撮ってはいけない家』も、ありがたいことに現在6刷と版を重ねております。

ぜひこの夏、2冊並べて楽しんで(怖がって)いただければと思いますので、皆さま、どうぞよろしくお願いいたします。

『彼女たちの牙と舌』発売

本日、矢樹純の最新刊となる長編クライムミステリー『彼女たちの牙と舌』が幻冬舎より発売となりました。

めちゃくちゃカッコいいカバーイラストは雪下まゆさん、デザインは泉沢光雄さんが引き受けてくださいました。また朝比奈あすか先生、千街晶之さんに素敵な帯コメントを寄せていただき、おかげさまでこのように素晴らしい一冊に仕上がりました。

『彼女たちの牙と舌』は2024年の春から夏にかけて「小説幻冬」で連載していた作品です。
中学受験の塾で出会った母親4人が、あることをきっかけに特殊詐欺事件に巻き込まれていくクライムミステリーで、一話ごとに視点となる主人公が替わっていきます。そうして話が進むことで、事件や登場人物の別の側面が見えてくる……という、長編でありながら、5編の連作短編のような構成になっています。www.gentosha.co.jp

発売中の最新号で『彼女たちの牙と舌』の特集を組んでいただいているので、こちらもぜひ! 河村道子さんによるインタビューに加え、千街晶之さんに書評を寄せていただきました。また太っ腹にも試し読みとして第一話が丸ごと掲載されております。

ところで、自分は小説を執筆する際、登場人物の具体的なモデルを設定して書くことが多いのですが、この作品でもっとも鍵となる第一話と最終話の主人公「後藤衣織」のモデルにさせていただいたのが、俳優の菊地凛子さんでした

www.rinkokikuchi.com

そのことを担当編集さんに伝えたところ、なんと菊地凛子さんが発売前に『彼女たちの牙と舌』を読んでくださり、コメントを寄せていただくという奇跡が起きました。

「主婦の隙が、母親の闇が、女の賢さが、思わぬ展開を招く。そこにいるのは自分で、同じ牙と舌を持っている感覚に陥ってしまう没入感を味わって欲しい。」


こちら、読むたび心臓がバクバクします。素晴らしいコメントをいただき、本当に光栄です! 菊地凛子さん、ありがとうございました!

『彼女たちの牙と舌』はミステリーの連載企画としては5作目で、これまで書いたことのない構成とジャンルを選び、勝負作として挑んだ作品でした。
特に自分の中で思い入れが強かったのは、こちらが初めて幻冬舎でお仕事をさせていただく作品だったという点です。

自分がミステリー好きとなった入口は江戸川乱歩の怪盗二十面相シリーズから赤川次郎先生、綾辻行人先生の館シリーズといった新本格という流れでしたが、本格ミステリ以外でも桐野夏生先生、宮部みゆき先生といった女性視点で犯罪を描く作品は好きで読んでいました。『彼女たちの牙と舌』の女性4人が犯罪に手を染めるという骨格は、まさに桐野夏生先生の『OUT』にヒントをいただきました。

その後、自分でも小説を書くようになってから、中でも好きになったのが沼田まほかる先生です。
沼田まほかる先生の作品はすべて読んでおり、自分が日本推理作家協会賞短編部門を受賞した「夫の骨」は、沼田まほかる先生の短編集『痺れる』(光文社)収録の「林檎曼荼羅」のオマージュとして書いた作品でした。

そして自分が沼田まほかる先生の著作の中でもっとも好きな作品が『彼女がその名を知らない鳥たち』(幻冬舎)だったのですが、幻冬舎の担当編集さんにお声がけいただいた最初の打ち合わせでそのことをお伝えした際、まさに担当編集さんが『彼女がその名を知らない鳥たち』を担当されたと伺って、「これは絶対に良い仕事をさせていただける!(良い仕事にしなければならない……!)」と、めちゃくちゃ気合が入りました。

www.gentosha.co.jp

『彼女たちの牙と舌』というタイトル自体が影響を受けているのはもちろんですが、『彼女がその名を知らない鳥たち』をデザインされた泉沢光雄さんにデザインをお願いするなど、色々と恐れ多いことをしております。

www.gentosha.co.jp

そんな様々な熱い思いが詰まった『彼女たちの牙と舌』、ぜひ多くの方に届けたいです。
こちらは連作短編のような長編ということで、短編と長編、どちらで矢樹純を知った方にも(もちろん矢樹作品を未読の方にも)きっと楽しんでいただけると思います。

どうぞ皆さま、よろしくお願いいたします。

『或る集落の●』書籍化&出版停止のお知らせ

2015年にKindle個人出版したホラー短編集『或る集落の●』ですが、好評発売中の『撮ってはいけない家』と同じ講談社で、今年7月に単行本として出版されることになりました。

7/16(水)搬入予定とのことです。

今回の書籍化にともない、Kindleで販売中の『或る集落の●』は4/30(水)をもって出版停止とさせていただきます。

書籍版『或る集落の●』は当初のテイストを残しつつも大幅な改稿を施し、また新エピソードも追加されますので、Kindle版とはかなり違った内容になります。
Kindle版を未読の方は、ぜひ今のうちのダウンロードをおすすめします。

●田舎の集落に暮らす姉を訪ねた「私」――しかし姉は、姉ではないものに変貌していた(「べらの社」)
●病気の治療のために、どんな病も治す猿がいるという集落に閉じ込められた「私」を悪夢が襲う(「うず山の猿」)
●やくざの下っ端の「俺」と、ある集落の生まれで自身を人間じゃないと言い張る不思議な「兄弟」の物語(「がんべの兄弟」)
●奇妙な因習の残る集落に嫁いだ「私」は大切な一人息子と引き離される。三年後、帰ってきた息子は《何か》が違っていた(「まるの童子」)
以上の四編が収録されています。

「べらの社」は2013年に第8回『幽』怪談文学賞短編部門に応募し、最終選考に残った作品でした。京極夏彦先生や岩井志麻子先生に講評をいただいて感激したのを覚えています。

「べらの社」および「がんべの兄弟」は試し読みとしてnoteでも公開中ですが、こちらも同様に4/30(水)をもって公開を停止いたします。

note.com

 note.com

矢樹は2012年に長編ミステリーでデビューしたものの、デビュー作が売れなすぎて次作が出せず、当時はホラーでの再デビューを目指して四苦八苦していました。
結局そちらも受賞が叶わず、けれどどうしても誰かに読んでもらいたくて個人出版したという経緯があります。

『或る集落の●』は一部で話題となり、好意的な感想をいただくことも多かったのですが、これまで書籍化の話は一度もいただいたことがありませんでした。
また何年か前には収録された作品があるトラブルに見舞われ、とてもつらい思いをしました。そのこともあって、もう商業出版は難しいのではと考えていました。

ですが昨年秋、出版社にお勤めのれなさんのこちらのポストをきっかけに数社からオファーをいただき、講談社で単行本として刊行していただけることが決まりました。

本当に、れなさんには感謝してもしきれません……。ありがとうございました。

大切に書いた思い入れのある作品を、一番良いタイミングで、一番良い形で出させていただけること、とても嬉しく思います。

 

ブラッシュアップして怖さと面白さを増した『或る集落の●』書籍版、きっと素晴らしい一冊にしてお届けしますので、どうぞ楽しみにお待ちください。

洗濯物が飛び、『死んだ山田と教室』を読み終える

5時10分起床。お弁当を作って次女を起こし、古紙を2往復して回収に出してからランニングへ。Audibleで原田ひ香先生の『喫茶おじさん』(喫茶店版『孤独のグルメ』みたいなお話だった)を聴きながら短めの2.4km走ってくる。

土曜の柔道の稽古でのうさぎ跳びのダメージと、昨日仕事でずっと同じ姿勢で座っていたせいで、膝の痛みがぶり返してしまった。走るのはそこまで痛くないが曲げ伸ばしの動作が痛いので、明日は安静に過ごそうと思う。

洗面台の掃除をしたあと、PTAの委員会関連でLINEのやり取りをいくつかして、日記を半分書く。洗濯物を干して朝食をとり、コーヒーを淹れて仕事。依頼された短いコメントのゲラの確認をしたあと、7月に講談社で単行本化されるホラー短編集『或る集落の●』の改稿をする。

一度直したものの、まだ全然整っていない第四話。シリアスな場面に入り、ますます神経を使う。10年前に書いた作品なのだが、現在の自分があまりやらない表現が多く、そのニュアンスを残しつつ下手な部分は修正するという匙加減が難しい。12時半まで掛かってやっと12枚進めて買い物に出る。

帰宅して昼食を済ませ、来月の試合に向けて減量中の次女のための低カロリーな副菜2種類(きゅうりとわかめとカニカマの酢の物・ほうれん草としめじのおひたし)を作り、洗濯物を取り込もうとして、確かに干したはずのシャツが1枚足りないのに気づく。この日の横浜は風が強く、ベランダから飛ばされてしまったようだ。

庭に出て探すと、うちのガレージから一段低くなった塀と塀の隙間に落ちていた。そこは大人が入れないような造りになっていて、以前同じように洗濯物を落とした時、まだ幼児だった息子に取ってきてもらった場所だった。現在、我が家にはそこに入れそうな体格の人間はいない。

困り果ててリモートワークで家にいた夫に状況を伝えたところ、釣竿の仕掛けの先にフック状に加工した針金を取り付け、引っ掛けてリールを巻き上げて難なく回収してくれた。器用な家族がいて助かった。

トラブルが解決したあとは集中して仕事。重めの心情描写が多く、精神力を削られながらも19時まで掛かって22枚。なんとか苦しかった第四話の2回目の改稿を終わらせることができた。加筆で少し増えて全377枚の260枚目まで。

夕飯は夫が週末に作ったポトフがあったので温めるだけで済んだ。食後は読書。『死んだ山田と教室』を読み終わる。

ラストが物凄いテンションで、最後のページを開いたまましばらく呆然としていた。なかなか味わったことのない読後感だった。素晴らしかった。

なんだかじっとしていられない気持ちで、シンク下の引き出し収納に仕舞ってある調理器具を全部出して引き出し内を掃除してまた仕舞う。それからメルマガを書き、日記と帳簿と読書ノートをつけてベッドで『ユビキタス』を読み進め23時半就寝。

※もしこちらの日記を読んで、「こういう日常のことが長々と書かれた文章を7日分、週1ペースで読んでみたい」と思われた方は、お試しで構いませんので、ぜひ無料メールマガジン《やぎのおたより》に読者登録をお願いします。

やぎのおたより

バックナンバーは約1か月分まで読むことができます。

お花見ランニングと改稿

5時に起きて台所のシンクを掃除し、大学2年の長女の分のお弁当を詰めてランニングへ。Audibleで角田光代先生の『森に眠る魚』を聴きながら、桜並木の5.7kmの遊歩道をゆっくり走ってきた。距離が長いのでたまにしか行かないコースだが、今日はようやく晴れて、満開の桜の下を走ってこれた。

帰宅してメルマガを書いて配信予約し、洗濯物を干す。大学3年の息子はサークルの新入生勧誘があると出かけていった。朝食後はコーヒーを淹れて仕事。夏に発売の短編集の単行本の改稿を進める。

※この時点では公表前だったが『或る集落の●』の改稿をしていた。

昨日疲れて直しが甘くなった部分に手を入れてから続きをやる。緊迫した描写が続くのでペースは上がらず。午前中かけて16枚直して買い物に出た。

帰宅して昼食をとり、作業再開。第二話のクライマックス、自分でもなんでこんな話を書いたのか分からないくらい気持ち悪い。げんなりしながら、それでもさらに厭さを増すように細部を整えていく。途中、資料本を読んだりブログの更新をしたりと気分転換しつつ、18時半まで掛かって24枚。全368枚の132枚目まで。

エージェントさんから連絡があり、GW前の締切を1本来月に延ばせそうとのこと。これで4月のスケジュールが少し楽になった。メールに返信してから夕飯の支度。昨日のおかずの残りがあったので少なめに、ウインナーとじゃがいも、ほうれん草と卵のオイスターソース炒めを作った。夜は日記を書いてから読書。資料本と献本の漫画雑誌を読んだあと、鈴木光司先生の『ユビキタス』を読み進め23時就寝。

※もしこちらの日記を読んで、「こういう日常のことが長々と書かれた文章を7日分、週1ペースで読んでみたい」と思われた方は、お試しで構いませんので、ぜひ無料メールマガジン《やぎのおたより》に読者登録をお願いします。

やぎのおたより

バックナンバーは約1か月分まで読むことができます。

VanVan初ツーリングin横須賀

5時起床。掃除機がけをして、お弁当作りがないのでいつもより早い時間にランニングへ。薄暗い中Audibleで小川糸先生の『椿ノ恋文』を聴きながら、短めに1.6km走ってきた。

その後は朝から仕事。洗濯が終わるまで『彼女たちの牙と舌』単行本の初校ゲラの赤入れをやる。連載にはなかった幕間の書き下ろしパート、超有名なミステリー作品のタイトルを間違えるという物凄く恥ずかしいミスを校閲さんに拾っていただいていて、心から感謝した。

8時まで掛かって10ページ進め、息子と一緒に洗濯物を干して朝食を済ませる。コーヒーを淹れて身支度と荷物の準備をして、10時過ぎに夫と一緒に家を出た。今日は夫が有休を消化するのに平日休みを取ったので、2人で横須賀までツーリングに行くことになっていた。スズキのVanVan200に乗るようになってから一番の遠出である。

夫のハーレーの後ろについて、国道16号を横須賀方面に向かってひた走る。だいぶエンストしないようになったのだが、道が結構混んでいて、減速した時にギアを落とし損ねて一度エンストした。磯子を過ぎて横須賀市に入る頃には道も快適になり、昼過ぎくらいに目的地の汐入駅近くのショッピングモール《コースカベイサイドストアーズ》に到着。駐輪場に車を停めて、そこからまずはドブ板通り商店街に向かった。

TSUNAMI》というお店で巨大なハンバーガーを分け合って食べたあと、ショッピングモールに戻り、そこから出航している軍港巡りの遊覧船に乗る。自衛隊の潜水艦やイージス艦護衛艦の他、寄港している米軍やイタリア海軍の空母やイージス艦をガイドさんに紹介してもらいながら見物した。風が強くてデッキで過ごすのは大変だったが、実物の色んな戦艦を間近に見られて楽しかった。

それから閉店セールをやっていた衣料雑貨のお店で春物の服を買い、16時半にショッピングモールを出る。帰りは環状2号からバイパスを通ったので行きよりも早かった。スーパーで買い物して18時前に帰宅。仕事のメールに返信してメルマガを書く。

夕飯は昨日多めに作っておいた煮物を温めて食べた。食後はまた少し仕事。依頼いただいた400字のエッセイを書いて見直しをする。日記と帳簿と読書ノートをつけたあと、白井智之先生の『ぼくは化物きみは怪物』を読み始め、第一話冒頭からの痺れる展開に動悸がした。もっと先に進みたかったが眠気に勝てず、23時就寝。

※もしこちらの日記を読んで、「こういう日常のことが長々と書かれた文章を7日分、週1ペースで読んでみたい」と思われた方は、お試しで構いませんので、ぜひ無料メールマガジン《やぎのおたより》に読者登録をお願いします。

やぎのおたより

バックナンバーは約1か月分まで読むことができます。

謎を解くミステリー作家たち

5時10分起床。夫はこの週末、地元の友達と徳島の大塚国際美術館で開催される『びじゅチューン!』(Eテレの美術アニメ番組)のコンサートに行くとのことで、6時前に家を出て岡山に帰省した。シンクの掃除をしてお弁当を詰め、高2次女を起こす。

膝に痛みが出始めたのでランニングは休み。Audibleで五条紀夫先生の『私はチクワに殺されます』を聴きながら筋トレをした。タイトルからは想像できない読み応えと読後感で大変面白かった。

大学1年の長女は資格取得のための講座を受けに出かけた。日記とメルマガを書いて大学2年の息子と洗濯物を干したあと、朝食をとり、コーヒーを淹れて一週間分のメルマガを見直して配信予約する。それから身支度して荷物を持って10時前に家を出て、バスと電車でよみうりランド駅に向かった。関東に住んで20年以上になるが、この駅で降りたのは初めてだった。

今日は同じこのミス大賞の隠し玉デビューのあいま祐樹さん、柊サナカさんと一緒にジャイアンツタウンスタジアムで開催されるリアル脱出ゲーム『伝説の秘宝眠る巨大遺跡からの脱出』に挑戦することになっていた。改札で合流し、まずは駅前でお昼を食べる。

地元の野菜を使ったメニューが評判のカフェで、のらぼう菜(松本英子先生のエッセイ漫画で読んでいつか食べたいと思っていた)の炒め物のランチプレートを食べつつ、あいまさん、柊さんと子供の進路のことや仕事のこと、最新式のカメラのこと、ドラマや読んだ本のことなどおしゃべりする。食後に抹茶ラテを飲みながら話すうち、時間になったので会場に向かった。

この日はシャトルバスが運休で3人で話しながら歩いて行ったのだが、途中に長いトンネルがあるなど変わった道のりで楽しかった。

スタジアムに到着し、謎解き用の小冊子《試練の書》をもらってからグラウンドに降りて開始時間を待つ。スタッフから注意事項の説明を受けたあと、スタートしたところで一斉に小冊子を開いて謎解きを始める。

前回このメンバーで同様のリアル脱出ゲームに参加した時は序盤でつまずき、謎も半分くらいまでしか解けなかったのだが、今回は協力し合ってかなり先の方まで進めた。本当の正解に辿り着くのは無理だったが、時間切れになる前に最後のステージに行けて嬉しかった。

達成感を覚えつつ駅まで戻り、自分は神奈川方面なので改札で別れて帰る。夕飯は作るのが面倒で、夫が昨日作ってくれた鶏むね肉のソテーも残っていたので、お惣菜を買い足すだけで済ませた。夜は晩酌しつつ漫画『クジャクのダンス、誰が見た?』最終巻の7巻を読み、夕木春央先生の『サロメの断頭台』の続きを読んで22時半就寝。

※もしこちらの日記を読んで、「こういう日常のことが長々と書かれた文章を7日分、週1ペースで読んでみたい」と思われた方は、お試しで構いませんので、ぜひ無料メールマガジン《やぎのおたより》に読者登録をお願いします。

やぎのおたより

バックナンバーは約1か月分まで読むことができます。