やぎのくらし

小説家で漫画原作者の矢樹純のブログ

運動会と、その朝の出来事

今日は小学校の運動会だった。天気は晴れ。5時半に起きて弁当の準備をする。
上の二人を送り出したあと、保護者は9時までに行けば良かったのだが、8時に家を出て息子の教室に向かう。そして息子の前の席の男の子を廊下に呼び出す。
実は、あまりに気が滅入る話で今まで書けなかったのだが、新学期から息子が新しく同じクラスになった男の子に嫌がらせを受けたり、からかわれたりするようになっていた。
4月中旬に息子が学校に行きたくないと言い出して、話を聞いてみると毎日のように授業中に鉛筆を取り上げられたり、嫌なことを言われたりするのだという。その都度「嫌だからやめて」と息子が言っても相手の子は聞かず、結局担任に相談して、席替えで席を離してもらってその件は解決した。
ところが、席替えをしてから今度は別の男の子が嫌がらせをしてくるようになった。息子は嫌がらせに抵抗したが逆にやられて皆の前で泣いてしまい、その後は「何であれくらいで泣いてるんだよ。泣き虫」と、馬鹿にされた。毎日その男の子は息子が泣き出すまで、「泣き虫」を連呼するのだそうだ。
再び担任に相談して担任に注意して貰ったが、今回は収まらなかった。スクールカウンセラーという心理療法士の先生にも相談したが、息子が(程度は軽いものの)■■の傾向があるためにそういう事態を引き寄せるのかもしれない、と言われ、じゃあどうにもならないじゃないかとますます絶望しただけだった。この何週間かの間、自分は息子の問題のために悩んで落ち込み続けるという暗い日々を送っていたのである。
で、今朝、自分はそのしつこい嫌がらせをしている男の子を廊下に呼び出し、「これ以上息子に嫌なことをするなら、君の家に行って君のお母さんと話をするよ」と真面目な顔で告げた。男の子が泣きそうな顔で「もうしない」と言ったので、「じゃあこの話はこれでおしまいだから、運動会頑張ってね」と言って帰った。
それから家に戻って急いで弁当をバッグに詰めて、下の子を連れて再び小学校へ向かった。夫が朝のうちに場所取りをしてくれていたのでその席に座り、子供達のかけっこや玉入れ、綱引きを応援する。

息子はあれほどかけっこの練習をしたのに走る時に順位を気にし過ぎて横を向いて走っていて、結局6人中の4位に終わった。長女も6人中の5位だったが、本人は足が遅いことを全く気にしていないので「かけっこ楽しかった!」と上機嫌だった。
お弁当を挟んで応援合戦や低学年の踊り、高学年の騎馬戦、そして最後のクラス対抗リレーを見る。息子と長女の組は残念ながら負けだったが、頑張る子供達の姿はこちらも何だか励みになった。
息子はこの日、意地悪をしていた子から「今までごめんね」と謝られ、おわびの印にイカのイラストが描かれた“イカすぜ!”という名前の駄菓子を貰って帰ってきた。その後、その子からの嫌がらせは収まり、放課後に一緒に遊んだりもしているようである。これを書いているのは6月6日だが、現在はトラブルも無く学校に通っており、そして放課後は毎日楽しく友達と遊んでいる。平和が戻った、という感じだ。
今回のことで思ったのは、問題が起きたらとにかく自分で何かしら動いた方が良いな、ということである。子供の力で解決させるべき、という意見もあるだろうが、息子の力で解決されるのを待っていたら親の方がストレスで潰れそうだった。毎晩夕食の時に子供が「今日はこんな嫌なことをされた」と泣きながら訴える日々は、本当に最悪だった。
息子の育て方に問題があったのかもしれないと悩んだり、相手の子に対して腹を立てたりとネガティブな感情に振り回されているより、問題を解決するために行動していた方が、ずっと気が楽だ。自分の場合はそうだった。
息子を知っている人も読んでいるブログなので、あまり心配をかけてはいけないと書けずにいたが、書いてみたらそんなイジメというほどのものでもなかったし、今はもう解決した問題なのでこのように報告させて頂きました。