やぎのくらし

小説家で漫画原作者の矢樹純のブログ

ルーペで離婚

ieyagi2005-03-23

そのルーペがこれ


7時半起床。曇りのち雨。朝食、マグロ丼と寄せ豆腐。洗濯をする。
息子に黒豆ココアに浸したトーストとリンゴとバナナとヨーグルトを食べさせたあと、傘差して一緒に外出。郵便局で仕事関係の書類を出し、それからバスに乗って駅まで。バスの中で隣に座ったおばさんに話し掛けられる。
おばさんは最初、息子のことを「可愛いわね、何ヶ月?」などと話題にしていたが次第に自分のことばかりを話すようになり、「私は年に4回歯石を取り、年に2回乳癌と子宮癌の検査を受け、年に1回胃癌と肺癌の検査をしている」、「私の伯母は昨年胃癌になり、80kgあった体重が35kgになった。見舞いに行くと言ったら断られたので痩せてよっぽど酷い顔になったに違いない」などと休む暇なくしゃべり続けた。おばさんのおしゃべりの間に近くに座っていた女の人がお年寄りに席を譲ってその場を離れて行ったのだが、おばさんは「あの人は私を嫌っている。前も隣の席になった時に場所を移られた」とヒソヒソ訴えてきた。本当なのか、おばさんの被害妄想なのかは判断が付かなかった。あと、おばさんが頭のおかしい人なのか単に異常なおしゃべりなのかも判断が付かなかった。
駅前のマックで昼食(てりたまバーガーセット)後、本屋を回ってから100円均一の店へ。息子が手鏡を壊したので新しいのを買う。
会計に並んでいると、レジ脇の老眼鏡のコーナーに、ルーペがあるのを見つけた。嫌な予感がしながらよく見ると、それは牛人間が先日「校正の時に使ったら」とプレゼントしてくれたのと同じものだった。
別に単なるプレゼントなら構わないが、それは無職の自分が牛人間に5000円以上するシャツを買ってやったお返しとしてプレゼントされたものである。さすがだなあと感心したが、帰り道で雨に降られて歩いている時ちょっと泣きそうになった。
スーパーと八百屋でカボチャとほうれん草と豆腐買って帰宅。息子寝せてからシナリオを考える。1時間経っても特に考えがまとまらなかったので古本屋で買ったまま読んでいなかった『メドゥーサ』(かわぐちかいじ)を読む。
夕食の支度。きのこ(なめこ)があったので豆腐とネギ入れて味噌汁にする。息子に細かく切ったブロッコリーをまぶした焼きうどんを食べさせ、それから自分も焼きそば作って味噌汁温めて食べる。
息子を風呂に入れて寝せたところに牛人間が帰宅。夕食中の牛人間に「この間のルーペに似たのが100円ショップにあった」と告げると、本当に100円ショップで買ったものだということを認めた。そして「ああいう形のライト付きルーペを探して何軒も文房具屋を回り、川崎まで行ったけど見つからなかった。諦めかけた時にぴったりのものを100円ショップで見つけ、迷ったがバレないと思って包装して渡した」と言い訳をした。だからって100円のを買うのはどうかしている、と言うと、一生懸命ルーペを探したという努力が認められなかったことに傷ついた牛人間は、「プレゼントに文句をつけるなんて厚かましい」と逆切れした。
大手小町http://www.yomiuri.co.jp/komachi/reader/index.htmで「どう思いますか?」と聞いたら「私だったら即離婚」というレスがたくさん付くことだろう。そのあと「実は結婚前に自分の消費者金融の借金を肩代わりさせて今だに返していないんですが」と付け加えたら「情報を後出ししないで」、「最低。自業自得です」というレスがたくさん付くことだろう。
12時まで悲しい夫婦喧嘩をして、牛人間に「もう二度と100円ショップでプレゼントを買わない」と約束させて寝る。12時半就寝。