やぎのくらし

小説家で漫画原作者の矢樹純のブログ

うつの本を読む

今日は幼稚園で息子の誕生会があった。息子は同じ5月生まれの子供達とステージに立ち、「好きなお料理は何ですか」とか「大きくなったら何になりたいですか」などの質問に答えていた。息子の好きなお料理は“ホットケーキ”で、大きくなったら“お届けものの人”(佐川か?)になりたいそうである。
誕生会は午後からだったので、午前中に図書館に行き、うつ病についての本を借りてきた。1冊は牛人間が通っているクリニックの主治医が書いた本で、もう1冊は『うつ病の相談室』(林公一)という本である。どちらも読みやすかったので今日のうちに読んでしまった。大分うつ病についての理解が進んだと思う。特に薬の副作用のことが心配だったので、その情報が得られて良かった。飲み始めてしばらくは効果よりも副作用(眠いとか喉が渇くとか)の方が強く出るものらしい。
牛人間の主治医が書いた本はうつ病だけでなく“こころの病”全般について書かれた本で、興味があったのでうつ病以外のところも読んだ。それで気付いたのだが、自分は思春期に『離人症性障害』というのになっていたのかもしれない。以前何かで離人症について読んだ時にも、もしかしたらと思ったのだが、今日詳しい説明を読んだらますますそう思えてきた。
離人症というのは「精神が体から遊離するように感じる」という心の病気で、具体的な症状としては現実感が無くなったり手足が自分のものじゃないように感じたりする。自分にその症状が出ていたのは中学1年生の頃のことで、その時の自分は友達と呼べる人がクラスに1人しか居なくて、その友達は頻繁に機嫌が悪くなり、機嫌が悪くなると部活仲間と集団で自分をいじめるので学校に行きたくないが、親が厳しいので登校拒否出来ないというストレス満点な状況にあった。
1年の間に3回ほどその症状が出て、1か月くらいすると自然に収まっていた。オカルトが大好きで、つのだじろう先生の漫画で知った幽体離脱をするためのトレーニングを毎晩行っていた(そういうことをしているから友達が出来ないのだ)自分はその症状を幽体離脱の一歩手前と思い込み、「このまま頑張れば幽体離脱して宇宙に行ける!」と悲惨な中学校生活の割には希望に溢れていたのだが、ふとしたことで死にたくなって手首に剃刀を当てたりもしていたのでやはり病気だったのだろう。
学年が変わって新しい友達が出来てからは症状も出なくなり、それは幽体離脱の訓練を飽きてやらなくなったせいだと考えていたのだが、あの症状が出ている間は部活のキツイ走り込みや筋トレをあまり苦しく感じないので、またアレになればいいなと時々思っていた。呑気な病人である。