やぎのくらし

小説家で漫画原作者の矢樹純のブログ

初打ち合わせ

加藤山羊はスピリッツの増刊でデビューしたスピリッツ賞出身の純血のスピリッツの新人であるのだが、デビューから7年目を迎え、作者の年齢が上がったせいか、読者層に合った作品を描くことが出来なくなっているような気がする。『イノセントブローカー』の連載終了後、自分達が面白いと思っていてもネームがコンペに通らない、という状態が続いており、今出したネームが通らなかったら別の出版社にも営業を掛けるべきかと悩んでいた。
で、案の定そのネームが通らなかったのだが、担当さんからの提案で、このネームをスピリッツのお兄さんにあたる雑誌に持ち込んでみようということになった。そしてありがたいことに、そちらで担当してくださるという方がおられたので、8年目にして初めて目指す雑誌を変えることになったのである(その辺のことは少し前にこのブログでも書いたが)。実はこの雑誌は自分も野良ヤギも大変好きな雑誌で、ここを目指せるということを本当に嬉しく思っている。
今日はその雑誌の担当さんと初めての打ち合わせがあった。わざわざ休みの日(自分に子供がおり平日の打ち合わせが難しいため)に横浜の方まで来てくださってありがたかった。新しい担当さんは男性で、ベテランらしい頼れる感じの方である。読者層に合わせてネームを直すことになったのだが、かなり丁寧に赤を入れてくださった。
今後、まずはこの1本目の掲載を目指してネームを作って行くことになる。どういう結果になるか分からないが、多分ここを目指して努力することで加藤山羊の足りなかった部分を鍛えて行けると思うので、とにかく頑張ろうと思います。
ところで、その大好きな雑誌が毎号家に届いたらとても素敵なので、こういうのは普通載ってから届くものなのだと薄々分かっていながら担当さんに「参考にしたいので毎号送って頂けないでしょうか」と頼んでみたら、送って頂けることになった。頼んだ瞬間かなり微妙な雰囲気になった気がしたが、これで好きな作品を毎号読める。
気を利かせて野良ヤギの分も送ってくれるように頼んだので野良ヤギに報告したら、「何で初めての打ち合わせでそんなずうずうしいことが出来るの?」と感謝されるどころか呆れられた。どうか自分のずうずうしさが原因で移籍した瞬間切られるようなことになりませんように。