やぎのくらし

小説家で漫画原作者の矢樹純のブログ

しばらく療養モードにさせてもらいます

(※この文章を書いているのは7月25日です)
大好きなプロレスラーが急死した昨年の6月から夏にかけて、著しく精神面の調子を崩し、何もやる気がせず憂鬱な気分が続くという日々を過ごした時期があった。自分はこれを「三沢(光晴)うつ」であると認識し、しばらく家事も育児も手を抜きまくることでやり過ごしていたのだが、やがてふとしたきっかけで元気を取り戻し、以前と同じように家事と育児をこなしつつ、金になるか分からない営業用のシナリオを書いたり投稿用の小説を書いたりと、前向きな行動も出来るようになった。
ただその後も一ヶ月に一度くらいは、前と同じようにやる気が出ない・憂鬱で気分が晴れないという病気っぽい状態になることがあり、それでも大体は数日で治まるのであまり気にしていなかった。しかしこの春から牛人間の仕事が忙しくなり始めて帰りが毎日深夜を過ぎるため、平日は子供三人の世話を全て一人でこなさなくてはいけなくなった。
息子は趣味の工作のために部屋中に紙や発泡スチロールの切れ端をばら撒く以外特に迷惑なことは無いのだが、長女がまた赤ちゃん返りを起こして始終おんぶして抱っこしてと甘えるようになり、魔の二歳児の次女は人の嫌がること(わざと人が使っているものを取る・おもちゃで殴りかかる)を嬉々としてやるようになった。次女の嫌がらせの対象が主に上の二人なので、一日中兄妹&姉妹ケンカが絶えない。
そういう非常にストレスの溜まる生活が続いていたところに、とどめを刺すように漫画原作の仕事のことで物凄く気分が落ち込む事態が起きた。その結果、三沢うつの時よりはるかにハイレベルなダークサイドに精神が振り切ってしまった。それはこれまで経験したことの無いような暗黒状態で、一日に三回くらい発作的に辛い気分に襲われて涙が止まらなくなるし、子供達が延々とケンカする声を聞いていると自分が首を吊って死んでいる情景が頭に浮かぶようになった(別に死にたいと思っている訳ではないのだが)。
その状態が二週間以上も続き、もうこれは放って置いたら危険だと思ったので近所の精神科を受診した。常日頃から少し頭がおかしい自分だが、精神科に行ったのは意外とこれが初めてだった。結果、睡眠も食事も摂れているのでうつ病とまでは言えないが、中程度のうつ状態にあると診断され、軽めの精神安定剤抗うつ剤を処方された。それが6月4日のことである。
受診して半月くらいは仕事が忙しく、その仕事も割と楽しいものだったので病気のことが気にならないくらい快調に過ごしていた(薬も効いていたのだろう)。だが6月末にまた仕事のことや家族のことで気分が落ち込むようなトラブルが続き、薬を飲んでいてもまるで元気が湧かず、感情が上手く制御出来ない(ちょっとしたことですぐ涙が出たり、逆にあり得ないほど腹が立ったりする)ようになった。一度大きくつまずくと、そう簡単に元通りにはならないものなのかもしれない。
薬の副作用で眠くなるのも困っていたので、次に受診した時にそう医者に言ったら薬を変えてくれて、今は結構元気だし、辛い気持ちになる頻度も少なくなってきた。今後もそんなふうに調子が良くなったり悪くなったりするだろうが、あまり焦らず徐々に治していければと考えている。医者の話では完治したと判断出来るまで、最短でも三ヶ月は掛かるとのことだ。
そういう事情でこのブログも今までみたいに気持ち悪い頻度で気持ち悪い密度の文章は書けなくなると思うので、一日一行しか書かれてなくても何日も更新が止まっても、しばらくは療養モードということで見守って頂ければと思います。精神科に通っていることをブログで公開したら作家として不利なことになる(仕事が貰えなくなるとか)のではないかと今まで書かずにいたのですが、考えてみると出版社の人がわざわざこのブログを読んでいるとも思えないし、隠しておくのもストレスなので正直に書きました。キャップ、報告は以上です。