やぎのくらし

小説家で漫画原作者の矢樹純のブログ

悪いニュース(2)「配偶者がうつになる」

今年に入ってから、牛人間の仕事が目に見えて大変になった。特に2月〜3月は午前2時過ぎの帰宅が連続したり、土日も出社しなければいけなかったりで、酷い状況だった。1月に上司の異動があって、仕事のやり方が変わってしまったらしい。心配ではあったが、そんなに働いて大丈夫なのかと聞くと「仕事なんだから仕方がない」という返事で、更に「会社のことは家では考えたくないから話題にしないで欲しい」と言われ、それ以上何も言えなくなってしまった。
「うつになったかもしれない」と牛人間に突然告げられたのが、4月2日のことである。
牛人間の会社が全社員に“うつのセルフチェック”のようなものをさせたのだが、牛人間はそのテストで100点満点の99点を取ってしまったのだ。牛人間はこの頃、「今まで出来ていたことがなぜか出来ない」・「なかなか仕事に取り掛かることが出来ない」・「会社にいると耳鳴りがしたり息苦しくなる」などの症状があり、それで仕事がますます辛くなっていたらしい。元々、家で会社の話をすることがほとんど無かったので(特に仕事の愚痴を言うことが牛人間の美学に反していたため)、自分は牛人間がそんなに追い詰められていたことを、この時初めて知った。
だがこの時、自分は長女の入園と定年退職した両親へのプレゼントである家族旅行と新作の企画書で大忙しで、あまり牛人間のうつについて深く考えている暇が無かったので、母(精神科で看護師をしていた)や友人に相談してみたり、“夫がうつになった人が書いた漫画”を10分で読んで勉強しただけで、今のところ、うつについての知識はほぼゼロだ。ただ、母も友人も漫画の作者の人も「貰った薬はきちんと飲まないといけない」と言っていたので、それだけは気を付けようと思った。
その後、牛人間は会社の産業医に面談して貰って、「まあ、うつでしょうね」と専門の病院を紹介され、先週の土曜日にそこを受診して“軽症うつ病エピソード”と診断されて2週間分の薬を出されて帰って来た。で、早速その薬を「こんなものは飲んでも気休めにしかならないと思うから飲まないよ」と牛人間が言うのを「貰った薬はきちんと飲みなさい」と説得し、毎食後、忘れずに飲ませている。
現在(この日記を書いているのは5月2日)は連休で岡山に帰省中で、牛人間も地元の友達と遊んだりとリフレッシュ出来ているようである。薬の影響か分からないがやたらアクティブに動き回っていて逆に心配なくらいだ。自分としては校正の仕事を失いそうである上に家計を担っている牛人間がうつとなり、結構この数日を暗く不安な気持ちで過ごしていたのだが、完全に仕事を失うかどうかも分からないし、もしそっちの仕事を失っても漫画原作の仕事でしっかり稼ぐように頑張ればいいんだし、という感じでだんだん前向きに考えられるようになってきた。
牛人間のうつについては病気についての知識が全然無いので「きちんと治るのか」とか「治るまでどれくらい掛かるのか」とか「うつの人にはどう接したらいいのか」とか不安と疑問が満載なのだが、多分きちんと勉強すればその辺は解消出来ると思うので、連休が終わって新作のシナリオを上げたら、うつについての本を読んでみようと思う。