やぎのくらし

小説家で漫画原作者の矢樹純のブログ

どうせ暇ですから

ここ最近、かなりの頻度で牛人間と、バナナが原因の喧嘩をしている。
子供達がいつも朝食にバナナを食べるので、牛人間が週末に八百屋(激安で有名。テレビ取材が来たこともある)でバナナを買って来てくれるのだが、そのバナナが4房で100円というもので、すると加藤家は週に20本近いバナナの在庫を抱えることになってしまうのだ。子供達は毎朝3人で1本しかバナナを食べず、しかも自分はバナナがあまり好きではない。
牛人間が大量のバナナを買ってくる度に「そんなに要らないのに」→「だけど4房単位でしか売ってないんだ」→「他の店で買えばいいじゃないか」→「この量で100円なのに他の店でなんてアホらしくて買えるか」という喧嘩になり、さらに週末の前でも、黒く柔らかくなったバナナを見た自分が「ほら、食べきれなかったでしょう」と言ったりすると同じように喧嘩になる。
今朝もバナナが原因の喧嘩をしたのだが、最近仕事を失う不安で一杯なためか、「こういうものを上手に食べ切るように工夫するのは無職で暇な自分の仕事なんだ」と卑屈な考えに取り憑かれ、思わず柔らかくなったバナナを潰してバナナマフィンを作ってしまった。

息子に「チョコのカップケーキがいい」と言われ、板チョコを小さく割って乗せた。焼き上がって疑問に思ったのだが、何でこのチョコは溶けていないのか。
子供達はみんな美味しいと喜んで食べ、危うく牛人間の分まで食べられるところだった。夜、帰って来た牛人間に残しておいた分を食べさせたら、「美味しいけど、何か脂でギトギトしてるね」と言われ、「じゃあ次に作る時はバターの量を減らしてみる」と卑屈に答えた。