やぎのくらし

小説家で漫画原作者の矢樹純のブログ

ねぶた行ってきました

8時起床。曇り時々小雨。姪っ子の熱はすっかり下がったとのこと。今日は午前中は新しく買って貰ったおもちゃで子供達を遊ばせておき、その間に『女囚霊』の単行本のPOP(書店さんに置いて貰うやつ)を書く。『イノセントブローカー』の時は自分が文面だけ考えて全部野良ヤギに描いて貰ったのだが、今回はちょうど帰省の時期が重なったので野良ヤギの絵の入ったPOPに自分が文章を書く、という方法を取ることになった。自分は何らかのハンディキャップがあると思われるほど字が下手なので、きっとPOPを見た人は同情して本を買ってくれることだろう。
昼食は父がチャーシューチャーハンを作ってくれた。食べ終わったあと、野良ヤギと一緒に野良ヤギの中学時代からの親友のIさんが勤めている本屋さんへ挨拶に行く。こちらのお店は『イノセントブローカー』が発売になった時に棚一つを全て『イノセントブローカー』で埋め尽くすという物凄い売場展開をしてくれて、結果的に『イノセントブローカー』の販売数で日本2位になってしまった(他の上位は全て新宿などの大型書店さんだった)という物凄いお店なのである。
今回の『女囚霊』は舞台が青森(色々都合があって“東北のF県”としてあるが作者の設定では青森である)で登場人物も津軽弁を話すので、ぜひ青森でたくさん売れて欲しいなあということで「今回もどうかよろしく……」とIさんにお願いする。Iさんはかなりやり手の方で、「だったらこことここの書店にも頼んだ方がいい」とアドバイスをくれて、ちょうどそちらで働いている人を知っているからと話を通して貰えることになった。お忙しい中すみません。お世話になります。
帰宅後はPOP書きの続き。早めの夕食にホッケのすり身をハンバーグのように焼いたものとささげの油炒めなど食べて、子供達に半纏着せて大人達は浴衣を着てねぶた祭りに行く。牛人間は今回は骨も折れていることだしあまり無理しないようにと言ったのだが、結局息子と長女を連れて一番最後まで跳ねていた。自分は次女が歩こうとしないので抱っこしたまま跳ねる。歩くのは嫌がる癖に沿道の観客に手を振ったりねぶたを見て歓声を上げたりと終始上機嫌で、なかなか帰ろうとせず大変だった。

(跳ねてる時は写真を撮る余裕が無かったので、これはねぶたに向かう途中の息子と長女の写真。一緒に写っている大人は自分の母である)
帰り道は次女を父が肩車してくれて、自分は疲れ切って歩けなくなった長女をおんぶして歩いていたのだが、自分の前を歩いていた若いヤンキーカップルが何だか面白い人達で思わず観察してしまった。
女(小太りで上下ボロボロのスエットでサンダル履き)は携帯を肩に挟んで「だったらそいつウチの前連れて来いよ!」と何やら電話の相手に怒っており、さらにしゃべる合間に空いている手に持った焼そばをモリモリ食いながら歩いていた。そして話に夢中で赤信号の横断歩道を渡ろうとして、彼氏(金髪で痩せてて女よりは小奇麗な感じだが同じくスエットでサンダル履き)に慌てて引き戻されていた。
女は延々電話の相手に偉そうに説教しながらコンビニに立ち寄り、焼そばの残りを彼氏に食わせ終わるとそこに停めておいたらしい自転車に跨り荷台に彼氏を乗せ、歩道を走るにはありえないくらいの猛スピードで走り出した。その間もずっと携帯は肩に挟んだままである。そして走り出して間もなく交通整理をしていた警官に携帯&二人乗りを注意され、彼氏は大人しく自転車を降りたが女は警官に向かって「何だコラ! ブタ! ボケ!! クソが!!」と悪態を吐き、それを警官に完全に無視されていた。
そこでカップルを追い越してしまったのでその後のことは分からないが、一緒に彼女達を見ていた母に「凄い子だね」と話すと、母は「何か病気なんだろうね」と言う。母には女の携帯が見えていなかったらしく、ずっと頭を傾けたまま独り言を話しているので精神病の人だと思っていたのだそうだ。
21時半に帰宅。子供達に順番にシャワーを浴びさせて寝かしつけ、自分もシャワー浴びたあと漬物と枝豆をつまみに大人達だけでビールを飲んで0時半就寝。