やぎのくらし

小説家で漫画原作者の矢樹純のブログ

神様と会う

今日は友達のT夫人とホラー三昧な休日を過ごした。
銀座で待ち合わせて、まずは『ヴァニラ画廊』のホラー漫画原画展・マスターオブホラーhttp://www.vanilla-gallery.com/vanilla-gahou/gahou/2013/03/post-87.htmlを観に行った。
古賀新一先生、日野日出志先生、御茶漬海苔先生、犬木加奈子先生、伊藤潤二先生という、子供の頃からずっと怖がらせてもらってきた大恩人の先生方の原画を堪能する。ああいったカラーの一枚絵も素晴らしいのだが、ホラー漫画ファンとしては生原稿の展示がもっとあれば更に嬉しかった。
会場の中で、背中から神様的なオーラが出ている方が原画にサインを入れていて、さりげなく覗き込むとその絵が黒井ミサの絵だったので一気に心拍数が上がった。緊張しながら展示を見ているとその場にいた別の方(恐らくホラー漫画家の呪みちる先生と思われる)が「こちら古賀先生ですよ」と親切に声をかけてくださって、あの『エコエコアザラク』の古賀新一先生と会話するというありえない事態が起きた。

エコエコアザラク 1 (少年チャンピオン・コミックス)

エコエコアザラク 1 (少年チャンピオン・コミックス)

黒井ミサシリーズの最新作のこと、「本当はミサの綺麗な顔を描いてる時が一番楽しいんだけど、ホラー漫画は怖くしないといけないからそれだけ描くわけにいかないんだよね」という制作秘話など、貴重なお話をいっぱい聞かせていただいた。『エコエコアザラク』のお話から、実は月刊少年チャンピオンで連載中のホラー漫画の原作をしていると打ち明けると、古賀先生は「どんな話?」などではなく「何ページの?」と尋ねられ、その現役感にゾクゾクした。ホラー漫画の神様は感動的にカッコ良かった。
この日はかなり寒かったのだが、古賀先生とお話しして握手までしていただいたことで、その後全く寒さを感じなくなる。ギャラリーを出たあとは渋谷に向かい、シネクイントでホラー映画『キャビン』を観た。

凄くホラーで凄く楽しい、サービス精神いっぱいの映画で面白かった。そしてジャパニーズホラーの扱われ方が嬉しかった。元ネタのホラー映画が1割も分からなかったので、もっとたくさんホラー映画を観なければと思う。
映画のあとはつばめグリルでT夫人と飲みながら今日は大変な一日だった、ということと、仕事のことや小説や漫画や映画の話をして帰る。本当に素晴らしい一日だった。