やぎのくらし

小説家で漫画原作者の矢樹純のブログ

ジェロニモ会

7時半起床。晴れ。朝食はカレーの残りとサラダ。ゴミ捨てして洗濯をしたあと、部屋を片づけて掃除機をかける。そのあとはホラーのネタ出しのために怪談本を読む。
昼食は冷やしうどん。食後、録画の『ジョジョの奇妙な冒険』をみんなで観たあと、夫は子供達を連れてブラスバンドの演奏会へ出かけていく。自分もしばらく読書したあと、出かけるための準備を始める。今日は《ジェロニモ会》という、知っている人がほぼ一人しかいない謎の会合に参加することになっていた。
ジェロニモ会》へのお誘いをいただいたのは今年の4月の末だった。

板谷バカ三代

板谷バカ三代

自分はライターのゲッツ板谷さんのファンで、Twitter板谷さんと、板谷さんの著作にたびたび登場する板谷さんのお友達のキャームさんをフォローしていた。
キャームのお悩みヒットマン

キャームのお悩みヒットマン

  • 作者:キャーム
  • 発売日: 2005/12/01
  • メディア: 単行本
そのキャームさんから、突然「《ジェロニモ会》(キャームを囲む会)に参加してほしい」というダイレクトメッセージが届いたのである。
自分は12年前に一度だけ、ゲッツ板谷さんがフリーマーケットでファンとの交流会をした時にその場にいたキャームさんに会ったことがあるのだが、

(※当時生後半年だった息子を抱いて撮らせてもらった写真。抱っこされている間、息子がキャームさんの腕に何度も蹴りを入れていて気が気じゃなかった)
Twitterではほとんど交流もなく、たまにキャームさんから《いいね》をもらったことがある程度で、なぜ自分が誘われたのか分からなかった。
しかし自分と同じくゲッツ板谷さんとキャームさんが大好きな夫や加藤山羊、末の妹から「絶対に行け」と背中を押され、参加することにした。《ジェロニモ会》に来るのは同じように誘われたキャームさんのフォロワーの人達らしいので、知っている人はキャームさんの他には誰もいない。
身支度をして集合場所の新宿に早めに向かう。そしてポケストップの密度に感動しつつポケモンGOをして時間を潰し、18時、時間になったので指定されたお店へ。
会場の香港料理店にはまだほとんど人がいなくて、どこに座ろうかと迷っていると「どこでも空いてる席にどうぞ」と声をかけてくれた人がスタッフの人かと思ったらキャームさんだった。もう一人、どこに座るか迷っていた男性と同じ席に座り、しばらくキャームさんとお話しすることができた。

12年前にゲッツ板谷さんのフリーマーケットで買った《まねキャーム》にサインももらえた。
19時、席がほぼ埋まったところでキャームさんの音頭で乾杯し《ジェロニモ会》が始まる。自分の座った4人掛けのテーブルはもちろん面識のない人ばかりだったが、「どこから来たんですか」という会話で左隣の席の男性が、自分が柔道の稽古をしている道場のすぐ近所に住んでいることが分かる。
その後、キャームさんが自分の著作について紹介する時間を取ってくださっていたので前に出て「こういう作品を書いているので読んでください」と挨拶すると、席に戻ってから向かいの男性が「○○さんを知ってますか?」と、ある映画監督さんの名前を出して尋ねてきた。その映画監督さんは(話自体は立ち消えてしまったが)『女囚霊』に映画化のお話をいただいた時に企画書に監督として名前が挙がっていた人で、実は向かいの席の男性はその監督さんのお手伝いをしている映像作家さんで、『女囚霊』の企画が来た時に監督さんと一緒に本を読んでくれていたそうなのだ。たまたま同じ席に着いただけなのに、凄い繋がりである。その上、右隣の男性には「『禁忌』を読んだことがある」と言われ、あまりの巡り合わせの不思議さに鳥肌が立った。さすがキャームさんの《ジェロニモ会》である。その後、『あいの結婚相談所』を買ってくださったというミュージシャンの方とお話しできたり、また特別ゲストとしてテーブルを回ってくれていたゲッツ板谷さんともお話しすることができた。まだ漫画原作者として仕事がなかった頃にアドバイスをいただいたお礼をやっと言えて、感無量だった。



同じテーブルの方達と映画や本や自転車など色々な話をしながら美味しい料理を食べて美味しいお酒を飲み、プロのミュージシャンの方の生演奏を聴いたり、12年前のフリーマーケットの懐かしい映像が流されたりと、夢のように楽しい時間を過ごした。あっという間の3時間だった。
22時、お開きとなったのでキャームさんに握手していただいて帰る。なぜ《ジェロニモ会》なのかは分からないままだったが、とにかく素敵な食事会だった。23時半、幸せな気分で帰宅してシャワーを浴びて寝る。0時半就寝。