やぎのくらし

小説家で漫画原作者の矢樹純のブログ

問題発生

現在、大家族になるにあたって、自分には重大な障害が起こっている。
大家族になるには子供を作らなければならないのだが、それが出来ないのだ。その理由はハゲである。
2人目の子供が産まれてから、医者によると睡眠不足とホルモンのバランスが崩れたことが原因らしいのだが、ここ2ヶ月くらいで恐ろしいほど髪が抜けている。毎日掃除機をかけなければならないくらい部屋に抜け毛が落ちているし、シャンプーの時は抜けた髪が大量に絡みついて手が黒く見えるのだ。
それでも「額が広くなる」とか「部分的に薄くなる」などの常識的な禿げ方だったらまだ良かったのだが、自分の場合は髪が全体的に薄くなって地肌が透けて見える状態で、もう末期の人にしか見えないのである。
外見が末期になると心も末期になるのか、性欲などという人間らしい欲求は湧いて来ない。「髪が生えないかなあ」とか「早く髪が生えないかなあ」ということばかり考えてしまう。更に配偶者である牛人間は「そんなの全然気にならないよ」と言いつつもリーブ21のCMソングの入ったCDをプレゼントしてきたり(そして「ハゲましてるんだよ」と駄洒落を言った)と完全に面白がっており、こんな人の子供はもう要らないとまで思えてくる。
ある程度時間が経てば生えて来るものらしいが、それがいつになるかは個人差なので分からない。外出時や宅配便を受け取る時は帽子を被っているのだが、この間、ピザを頼んだ時にうっかり帽子を被り忘れてしまった。ピザの配達人は「この人、末期なのにピザ食うの?」と思ったことだろう。