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『イカとクジラ』は父が売れない純文学系の小説家で母は大衆小説の売れっ子作家という夫婦、そして高校生の兄と12歳の弟という四人の家族を描いたドラマ。当然夫婦仲は上手くいかず、しかも母親が病的な浮気性のため二人は離婚することになり、兄弟はその後、父と母の家を週の半分ずつ行ったり来たりさせられることになる。
父を尊敬する兄は浮気性で芸術を理解しない母親を嫌悪し、弟は家族がバラバラになることを受け止めきれず怒り、自分を傷つける。突然の両親の離婚によって兄弟の心が急激に不安定になっていく様が、親の立場からすると自分が離婚した訳でもないのに本当にごめんなさいという気持ちで精神を抉られる。
そして『マーゴット・ウェディング』も同じように頭のネジの外れた母親と叔母(その他母親の浮気相手や叔母の婚約者など)のために子供達が振り回される映画だが、こっちは子供達が割と冷静でいてくれるのでそんなにダメージを受けずに済む。
これらの映画について何が言いたいかというと、この二つともがレンタルコーナーの“コメディ”の棚に並んでいて、コメディだと思って借りると結構重い気持ちになるので注意して欲しい、ということだ。もちろんエピソードによってはコミカルで笑える部分も多いのだけど、子供を持つ親が不用意に観るとダメージを受ける可能性大である。ちなみに以前このブログに書いたことのある『タクシデルミア ある剥製師の遺言』
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しかしこのノア・バームバックって監督、よほど母親(または妻)に酷い目に遭わされたんだろうか。登場人物に誰一人としてまともな女が出て来ないのだが。