やぎのくらし

小説家で漫画原作者の矢樹純のブログ

大家族になりたいか?

イタリア人は大家族、というイメージがあった。
ゴッドファーザー』の“ファミリー”を、たったさっきまで本当の家族のことだと誤解していたからである。
こんなブログを書くことになってイタリアについて勉強し始めたのだが、イタリアの出生率は日本より低い。

結婚する時に牛人間と、子供がたくさんいても良いね、と話した。たくさん子供を持つというのは生き物として悪いことではないし、子供達のために一度に1kgのスパゲティを茹でたり一日に4回も洗濯機を回したりとハイテンションな毎日が送れそうだからだ。今の日本は少子化で、その主な理由は“経済的に無理だから”らしいが、自分と牛人間は「産んでしまえば何とかなるもんだろう。贅沢さえしなければ」と思っていた。

結婚して4年経って、その間に息子と娘が1人ずつ産まれた。
自分達夫婦は親になった責任があり、子供達を満足に育てて行かなければならない。それにはある程度計画というものが必要で、“あと何人子供を作るのか”を考える場面が出てきた。それによって次に買う車や次に住む家や自分の就職をどうするかが決まるからだ。

子供がいる生活が現実になると、色々と具体的なことが分かってくる。子供の数が増えると確実に貧乏になり、生活スペースも狭くなるのだ。世話をするにも人数が多ければ目が届かなかったり手を掛けられなかったりで、子供1人あたりの「満足に育てる度」はかなり低くなるだろう。親である自分達にとっても育児の負担や自由時間が無くなることなどデメリットは増える。
正直、まだ2人目がお腹にいるうちは、この2人目の子供で止めてしまえば楽だし、余裕のある生活が送れるのにと思っていた。それは牛人間も同じで「子供が2人だけだったらそれぞれをバイクの後ろに乗せて親子でツーリング出来る」とか、「子供が2人だけだったら軽自動車に買い換えれば8年乗って100万円近く得になる」ということをしきりに言っていた。2人目が産まれる前までは。

今、産まれたばかりの赤ん坊が目の前にいてスクスク育っている。これをまた作るか、もう作らないか、考えている。
本当はそんなこと考えずに自然に出来たら自然に産むというスタイルを取れれば良いのだが、そう出来るほど自分達は裕福じゃない。裕福じゃない人間は計画を立てて生きていかないと後々とても困ったことになるのだ。公営団地に住む29歳・漫画家志望・無職の自分はそれをよく知っている。

このカテゴリーでは、結婚当初のドリームを実現出来るかどうか、という現在進行形の家庭の問題をグダグダと書いていきたいが、結論は出るんだろうか。結論が出る前にうっかり3人目が出来て読んだ人に避妊くらいしろとため息を吐かれることは避けたい。