やぎのくらし

小説家で漫画原作者の矢樹純のブログ

朝日新聞で、『イノセントブローカー』が…!

朝、息子を久しぶりに幼稚園に送り、戻って来ると野良ヤギから「友達のお母さんが見つけてくれたんだけど、朝日新聞に『イノセントブローカー』のことが載ってたらしいよ」というメールが来た。「マジで!? 凄いじゃん!!」と普通くらいのテンションで返信したあと、しばらくして朝日新聞って…」と、事の重大さを把握してくる。朝日新聞って、あの日本全国の人が読んでいる朝日新聞のことですか?
朝日新聞のHPで書評のコーナーを探すと、8月31日の読書面で取り上げる予定の本として、『イノセントブローカー』とあった。自分は朝日新聞どころか新聞自体を取っていないので分かるはずもなかったが、昨日、自分達の漫画が紹介されたのである。これは大事件だ。
このことを調べていたら偶然母から他の用事で電話があり、実家は朝日新聞を取っているので昨日の新聞の読書面に載っているらしいことを伝え、その部分をFAXして貰った。FAXの調子が悪いのか紙が黒くなって読みにくかったが、きちんと載っていて、しかもどうやら褒められている。凄い。
近所に朝日新聞の販売店があるので、息子を幼稚園に迎えに行った時に昨日の新聞を貰ってきた。あらためてきちんと読む。やっぱり褒められている。どうしてこんなことになっているのか。嬉しさを通り越して怖いくらいである。緊張で吐き気がしてきた。
(↓こちらが新聞の切り抜き。朝日新聞のHPにもアップされていました→http://book.asahi.com/comic/TKY200809030161.html

牛人間にメールで書評のことを伝えると、「その取り上げてくれた人、スピリッツの関係者なんじゃない?」と返信が来た。そうだ。そうでもなければ全く売れていない新人の初単行本が天下の朝日新聞様に載るはずがない。そう納得して、じゃあこの人の正体は誰なんだろうと書評を書いてくれた南信長さんの名前を検索してみたら、実はこの方は『SPA!』で、自分が大好きな西原理恵子さんやゲッツ板谷さんの担当をしていらっしゃる、フリー編集者の新保信長さんであった。あのタイガースファンで東大卒のシンボさんである。おそらくスピリッツとは何も関係無いはず。もう驚きのあまり動悸がしてきた。
本当にありえない幸せである。今晩にも毒蜘蛛に噛まれるなどの珍しい死に方で命を落としかねないレベルだ。「どうしてこんなマイナーな漫画を」とか「どうしてこんなゴチャゴチャした構成の漫画を」とか、疑問ばかり湧いてくる。とてもありがたくて、物凄く喜んでいるのだが、何だかとんでもない状況で混乱してしまう。だって、朝日新聞だもの。そしてシンボさんだもの。
『イノセントブローカー』が発売される時、野良ヤギは販促用のPOPを、メチャメチャ丁寧なイラストを入れて20枚以上も手描きしてくれた。そして、今は異動してしまったあの大変お世話になった担当さんは、「単行本、マスコミ関係の方とか、あちこちに送りますから!」とおっしゃっていた。シンボさんが『イノセントブローカー』を手に取られたのが、野良ヤギのおかげだったり、担当さんのおかげだったりしたら、ますます嬉しい。
単行本が出た際に応援してくださった皆さん、おかげさまでこういうことになりました。本当にありがとうございました。
(ちなみに昨晩あれだけ探した手提げ袋ですが、幼稚園にちゃんとありました)