やぎのくらし

小説家で漫画原作者の矢樹純のブログ

初めての寄席

7時起床。晴れ。8時まで小説書いて、子供を起こして朝ご飯を食べさせたあとはゴミ捨て、洗濯、子供のズック洗いなどの家事をする。それから上野広小路駅までの路線を調べて子供と自分の身支度を済ませ、10時頃に家を出て牛人間に車で駅まで送って貰う。
田園都市線青山一丁目まで行って、そこから銀座線で上野広小路へ。乗り換えがスムーズに行き、約束の15分以上前に着いてしまった。地下鉄の出口で持って行った本(先日従兄の奥さんに勧められて読み始めた『恋するAI探偵』というミステリー)

恋するA・I探偵 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

恋するA・I探偵 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

を読みながら友人のなじゃさんを待つ。
12時前になじゃさんが到着し、演芸場に向かうと既に行列が出来ていた。前の方が予約席になっていて、他の席もどんどん埋まって行くのでかなり後ろ方の席で見ることになる。レーシック手術を受けていなかったら全然見えなかったところだ。荷物を席に置いたあと自販機でビールとお茶を買い、売店で弁当買って席に着く。
最初の前座の人は『寿限無』だったし、他にも『親子酒』とか『時そば』とか知ってる話も多くて落語初心者でも楽しめた。落語家の人達はみんな、よくあんな長い話を登場人物全部演じながら話せるものだと思う。自分はタイトルは知らないが間男の話をやった柳家さん喬という人の落語が楽しくて好きだった。あと、最後の三遊亭金馬は、やっぱり一番面白くて凄かった。
落語以外のリアル高齢者(ビーグル38じゃない)漫才やギター漫談、伝わりにくい手品も紙切りも、非常に面白い。4時間たっぷり集中して見て(聞いて)いたせいで、自分もなじゃさんも終わったあとはしばらく物を考えられない程に疲れており、通りを挟んだビルの2階の喫茶店に入ってケーキを食べてコーヒーを飲んで脳に栄養が回るまで、ほとんど実のある会話が出来なかった。
茶店で最近書いている素人小説のことやコンペに落ちたことなど景気の悪い話を色々聞いて貰ったあと、銀座線で渋谷まで戻り、二人で岡本太郎の『明日の神話』を眺める。それから駅ビルのクイックマッサージで首と肩を揉んで貰い、なじゃさんの旦那さんと合流して20時頃、道玄坂焼鳥屋『ぶんぶく』へ。
バーやせせりなど大変に美味い焼き鳥を食べながら景虎と梅酒と水を飲み、漫画やアニメや大槻ケンヂの話をする。それから自分はなじゃさんの旦那さん(前に書いたかもしれないがプロの作家さんなのだ)に小説を新人賞に出すためのアドバイスを色々と頂いた。とにかく応募規定を守ることと書き上げることが大事で、あとは「あんまり“小説を書こう”と意気込まないで、漫画の原作と同じように作ったお話をそのまま人に伝えるつもりで書いてみたら?」というためになる助言を貰った。なるほど。
この『ぶんぶく』という店は前にも一度連れて行って貰ったのだが非常に良い気分に酔える店で、自分は前回の帰り道に「好きな漫画は色々あるけど一番好きなのは加藤山羊の漫画だ」と随分なことをなじゃさんに訴えながら帰ったのだが、今回もかなり良い気分で「人を楽しませようと頑張っている自分は偉い」ということを力説しながら渋谷駅まで帰った。カラスヤサトシ先生の言うところの「イキってる」とはちょっと違うかもしれないが、とにかく痛い。
渋谷駅でなじゃさん夫婦と別れ、田園都市線で横浜まで戻り、最寄駅からタクシーに乗って0時過ぎ帰宅。TwitterTumblrをチェックして1時就寝。