やぎのくらし

小説家で漫画原作者の矢樹純のブログ

いたたまれない

100円ショップに、車椅子の認知症らしいおばあさんが介助者に連れられてきていた。レジに並んでいたおばあさんは「この馬鹿女が」などと誰にともなく延々悪態を吐いていた。自分の認知症の祖母もよく意味も無く怒っていたので、そういう症状なのだろうと思った。
おばあさんの後ろには幸の薄そうな中年女性が並んでいたのだが、中年女性は自分の会計の番になるとレジの店員に「あんな失礼なことをいう人間を放っておいて客に不快な思いをさせるなんてどういうこと」と猛然と抗議した。店員が呆然としていると中年女性は帰ろうとしていた介助者を呼び止め「何で失礼なことを言わせておくの。気分が悪い。連れ歩かないで」と文句を言って店を出て行った。
自分も同じように人が誰かの悪口を言っているとそれが全部自分の悪口に聞こえてくる病気を持っているが、あのおばさんはかなり重症なのだろうと思う。