やぎのくらし

小説家で漫画原作者の矢樹純のブログ

『異常快楽殺人』

先日、「禁忌」の最終話となる第13話のシナリオを書き終えた。来月号に載るのが第7話なので、自分はかなり先行して仕事をしていたことになる。元々単行本一巻分の連載という話でスタートしており、単行本の売れ行きを見て次回の連載をさせてもらえるかが決まる(売れない作家が新規の雑誌でお仕事をいただく場合によくあるパターン)ので、単行本が出るのはまだ先のことですが、お財布に余裕のある方は発売日にはぜひお買い上げのほどよろしくお願いいたします。
で、「あいの…」のシナリオも上げたばかりで時間に余裕ができたので、今は遅れていた長編小説の方を頑張っている。現在第四章の終わりくらいで、次が最終章の謎解きなので大分佳境に入っているのだが、6月に入ってから風邪をひいたりそのせいで漫画の仕事が押して忙しくなったり仕事が終わって酒飲んだり遊んだりと小説をサボっていたせいで、長い文章を書く癖が抜けてしまって集中力が続かない。1枚書いては休み、を繰り返して、ようやくちょっとずつ進んでいる感じである。とにかく毎日書いてはいるので、早くスピードを取り戻したいところだ。
執筆の合間の休み時間は主に大好きな怖い本を読んでいて、最近は平山夢明さんの『異常快楽殺人』を読んでいるのだが、これが全く頭が休まらず、推理小説を書くのには不要な嫌なパワーばかり注入されるので困っている。「禁忌」も終わってしまったし、溜まっていく嫌なものを出すためにも、早くこの長編を書き上げて新しいホラーを書かなければと思う。

異常快楽殺人 (角川ホラー文庫)

異常快楽殺人 (角川ホラー文庫)

『異常快楽殺人』はアルバート・フィッシュやアンドレイ・チカチロなどの連続殺人犯がどのように被害者の女子供を拷問して殺したかをそこまで言わなくていいってくらい詳細に描いたドキュメンタリーなのだが、今日観た映画の台詞に「女の連続殺人犯はいない。あいつらは一人目を殺したあとに誰かに話すから」というジョークがあり、確かにこの本に女の連続殺人犯は出てこないのでなるほどと思った。