やぎのくらし

小説家で漫画原作者の矢樹純のブログ

『バカレイドッグス Loser』③7/8発売

講談社WEBコミックサイト・コミックDAYSで連載中の『バカレイドッグス Loser』第3巻が7/8(水)に発売となります。

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横浜の裏路地(back alley=バカレイ)を舞台に、闇医者の兄弟が様々な秘密やトラブルを抱えたヤバい患者たちの依頼を請け負い、解決していく物語です。

いわゆるピカレスクものであり、医療漫画でもあるのですが、帯にも《謎解き×闇医者》とある通り、ミステリー要素が強いです。思えば自分の作品は、ホラーもサスペンスも、タイトルからして間違いなく婚活がテーマの『あいの結婚相談所』も、すべてミステリーでした。

そんなミステリーしか書けない作家なので、ストーリーを作る時はいつも、謎解きやどんでん返しの部分に重きを置いて考えていくのですが、この『バカレイドッグス Loser』については少し違っています。

『バカレイドッグス Loser』は、ヤングマガジンで連載していた旧シリーズの『バカレイドッグス』が単行本が売れなかったために打ち切りとなり、その後、電子コミックとして多くの人に読んでもらえたおかげで、WEBで復活連載となった作品です。なので、打ち切りになって、書きたい物語を書き切れずに終わることは、絶対にしたくありません。

連載が打ち切りになるのは、単行本や配信されたエピソードを読んでもらえないためです。だから『バカレイドッグス Loser』は、「なるべくたくさんの人に読んでもらうにはどうしたらいいか」ということをよく考えて、興味を持ってもらえそうなテーマを選び、毎回色んなことに挑戦しながら、学びながら、《漫画としての面白さ》を高めていけるように努力して作っています。

売れるためにできることを色々考えていた時期もありましたが、作家ができる宣伝には限界があり、また自分は宣伝というものが全然得意でないことも分かりました。
結局、《作品を面白くする》以外に自分にできることはないし、それが読んでくれる方のためにも、自分のためにも一番良いことのような気がします。

一般的にシリーズものの単行本は、巻を重ねるごとに売れなくなり、初版部数が下がっていきます。『バカレイドッグス Loser』も部数は下がる一方ですが、エピソードを重ねるごとに面白さが上がるように努力している作者としては、それは本当に残念なことです。
実際、先月仕上げた第7エピソードは編集さんにも「今までで一番面白い」と言ってもらえたほど面白く書けたので、本当に多くの方に読んでほしいです。もしも連載が打ち切りになったり、単行本の続きが出ないということになったら、この一番面白いエピソードが読んでもらえなくなります。

今後も、作者としてできることを精いっぱい頑張って、闇医者兄弟の物語『バカレイドッグス Loser』を多くの方に楽しんでいただきたいと願っています。
どうか読者の皆さま、連載が続くように、単行本が出せるように、この作品を支えてください(※具体的にはこの3巻を7/8の発売後すぐに買う、感想をつぶやくなどしていただけると助かります)

お願いばかりですみませんが、どうかよろしくお願いいたします。