やぎのくらし

小説家で漫画原作者の矢樹純のブログ

仕事納めに至るまでのこと

24日の夜に横浜を出発して倉敷の牛人間の実家に帰って来ているのだが、本来なら帰省前に仕上がっているはずの仕事が一応終わらせて出したものの大幅な直しになってしまい、持ち帰ることになった。
それは現在企画進行中のミステリー漫画の原作で、漫画にすると100ページくらいのボリュームだった第1エピソードのシナリオ(←帰省前に出して半ボツになった)をベースに、キャラとエピソードを増やしてもっと小さく割って40ページ前後の第1話+それぞれ20ページ前後の第2話〜第6話で完結するプロットに作り直すというもので、まあなかなか大変な作業なのである。しかも作業に入る前に資料として送って貰ったオペラのDVDやミステリー漫画にも目を通さなければならない。
しかし仕事を来年に持ち越すのは嫌なので、担当さんとも「年内に片付けましょう」と話して牛人間の実家でその作業をするつもりだったのだが、25日は朝に倉敷に到着したあと資料の本を読んでいるだけで一日が終わってしまい、26日は瀬戸大橋を渡って香川でうどんを食べ歩いたり
(画像は宮武うどんの“ひやあつ”)
「しろとり動物園」http://user.shikoku.ne.jp/zoo/で動物を見たりしていたら



一日が終わってしまった(帰宅後資料のDVDだけは観た)。
で、26日の夜、自分は寝相の悪い息子と一緒に寝ていたのだが息子に布団を取られて夜中に何度も寒くて目が覚め、翌日は一日中寒気が治まらなかった。それでも岡山市の東税務署近くの「天神」に天神そばを食べに行って、

その後は布団を被りながら仕事を進めていたのだが夕食後体中の関節と皮膚の表面が痛くなってきて、熱を測ったら38℃あった。
ブログを書く気力も無かったので書いていなかったのだが自分は12月中旬から胃腸風邪と普通の風邪を順番に子供からうつされて1週間近く断続的に熱を出しており、その普通の風邪の方がぶり返してしまったらしい。
翌日の28日はパソコンを枕元に置いて熱が下がった隙に布団の中で仕事をして熱が上がったらそのまま寝るという生活をして、29日はまだ微熱はあったものの寝たまま仕事をすると腰が痛くなるということが分かったので普通に座って仕事をすることにして、16時、どうにか完成したプロットを担当さんに送った。
仕事をしているうちに熱は下がったので夕食は焼き肉を食べに連れて行って貰い、その日はビールを飲んで寝て、そして今朝担当さんからいくつか細かい直しは必要だがこのままシナリオに起こして良い、との返事を頂けたので、ようやく仕事納めが出来たのである。
今日はここ数日の疲れが残っていたので日中は外出せず、家で子供と折紙で貼り絵をしたりテレビを見たりして過ごしていた。すると夕方、父から電話があり、自分が小学校の4年生から6年生までを受け持って貰った元担任のU先生から『女囚霊』の出版のお祝いの花を頂いたと知らされる。

写真をメールで送って貰ったのだが物凄く立派なものを頂いてしまった。
自分の父も教師でU先生とは麻雀友達なので長年お付き合いがあり、先日父がU先生と会うことになったのでその時に『女囚霊』(加藤先生のサイン入り)を渡して貰ったのだ。
自分は小学校時代、ちょうどU先生の受け持ちだった頃に「どうせ1999年に人類は滅亡するんだから」という理由(他にも何か子供なりの悩みを抱えていたりした気がするが)ですっかり問題児化しており、宿題を一切やらなかったり学校に行った振りをして家の押し入れに隠れていたり友達が居なくてグループで何か発表する時に一人きりで発表したりするという、素行不良な上にいたたまれない子供だった。クラスに2人くらい居る、教卓のすぐ隣の「特等席」に座らされているような、色々とギリギリな児童だったのである。
それでも本を読むのが好きだったせいか国語の成績だけは良くて、確かその頃に小説家になりたいと初めて思ったのだと思う。しかし恥ずかしいので“将来なりたいもの”という作文では無難に「学校の先生になりたい」などと書いていたのだが、なぜかU先生は卒業式の日、自分と握手しながら「頑張って小説家になれ」とおっしゃったのだ。何というエスパー教師だろう。
今、まだ小説家にはなれていないがそれを目指しながら漫画原作者をやっている自分の本の出版をそのように祝ってくださって、本当にありがたかった。これからもっと活躍して、U先生に喜んで貰えたらなあと思う。
夜は近所に住む牛人間の幼馴染みのお宅で開かれた忘年会にお邪魔して、カニやブリのしゃぶしゃぶ風の鍋やおでん、フライドチキンなどたくさんご馳走になってビールを飲んだ(締めのカニ雑炊がまた美味しかった)。酔っ払って良い気分でいつものように気持ち悪い話をしてしまったが、メンバーの中にもお好きな方がいたおかげでそんなに白い目で見られなかったと思う。多分。とにかく仕事も終わったし、恩師から素敵な贈り物を頂いたし、美味しいものをたくさん食べてビールを飲めたし、楽しく幸せな日だった。