やぎのくらし

小説家で漫画原作者の矢樹純のブログ

身の振り方が決まる

昨年、作家としてデビューしたものの色々あって難民になってしまった矢樹純だが、ようやくある出版社の方から作品の受け入れ先になってくださるというお話をいただけた。自分が以前お世話になっていた編集者の方が文芸部の編集者さんとお知り合いで、自分の著書を渡して紹介してくださったのだ。
今日が文芸部の方との初顔合わせの日で、今後の執筆の進め方について打ち合わせをさせていただく。担当となってくださる編集さんは自分も読んだことのあるベストセラー作品を何冊も世に出している方で、他に担当している作家さんの名前を聞いて自分なんかが仕事をさせてもらっていいんですかと大変恐縮した。
このたびお世話になるところでは作品のクオリティを上げることに物凄い力を注いでおられるそうで(だから何冊もベストセラーが出せるのだ)、出版されるまで複数の編集者さんが何度もチェックしては打ち合わせして修正し、という行程を繰り返すらしい。連載していた年数と修正していた年数が同じになった作家さんもいるそうだ。
ただでさえ実力のない自分はどれだけ直し続けることになるのか想像もつかないが、むしろ指導を受けながらじっくり一つの作品に取り組むことで力をつけていけるのではないかと、この状況をとてもありがたく思っている。難民の立場の時は早く次の作品を出さなければと焦っていたが、漫画の仕事があったり子供の世話があったりであまり量産できない自分には、じっくりやる方が合っているのかもしれない。
じっくり、と言いつつも今書いている長編ミステリー(現在原稿用紙356枚目で謎解き開始直前)を来月中に書き上げてお渡しすると宣言してしまったので、約束を守れるようにスピードを上げて頑張っている。次回作の出版が十年後になったりしないよう、なるべく早くハイクオリティで楽しい作品を仕上げられるように努力します。