やぎのくらし

小説家で漫画原作者の矢樹純のブログ

(※出産編)小康状態

陣痛とは言っても最初はそんなに痛くないので、陣痛の間に読もうと思って持って来た有栖川有栖の『女王国の城』を寝転んで読んだり、昼御飯を食べたりとのんびり過ごしていた。昼過ぎ、ちょっと痛みが強くなってきたが、まだ本格的な感じではない。
助産師が言っていたが、本格的な陣痛かどうかの違いは「顔が歪む程の痛みか」というところで見分けるらしい。この時の痛みは“眉間に皺が寄る程度”で、それが7分おきくらいに続いていた。2時半頃に内診して貰った時には、子宮口は2.5cmで、まだ全然開いていなかった。最終的には10cmまで開くものなので、まだまだ先は長い。
4時前、夫が病室に到着する。新幹線で5時間の距離での里帰り出産で、その上初産婦よりお産の進むスピードが速い経産婦なのに、夫が立会い分娩に間に合うとは思わなかった。しかも夫が来た時点でも、“顔が歪む程”の痛みではない。せっかく駅から真っ直ぐに病院に向かってくれた夫だが、熱を出している娘のことも心配だし、息子も早く父親に会いたいだろうし、『女王国の城』の続きも読みたかったので、一旦実家に戻って子供達の面倒を見てくれるように頼んだ。しばらくして、夫から娘の熱が下がったとメールが来て安心する(病院に行って座薬を処方して貰ったそうだ)。